2017年6月18日
このシーズンの巨人戦で最も劇的でドラマチックと言っても過言ではない試合がありました。
この日、東京ドームで巨人対ロッテの試合があり結末から言ってしまうと巨人が7-5でサヨナラ勝利を収めるのですが、内容が凄かった。
というか亀井選手が凄かった。
この試合、4番マギー、5番阿部慎之助のオーダーで始まり、阿部選手の怪我やピッチャーの交代やらなんやらで途中から5番には亀井義行選手が入ってました。
シーズンも中盤に差し掛かったこの時期、4番を打つマギー選手はものすごく調子が良かった。
これが幸か不幸か亀井選手に地獄と天国の両方を見せることになるのですが…
まずは3-3で同点の8回裏
1アウト3塁という場面で4番マギー選手を迎えたロッテバッテリーは1塁が空いているということもあり敬遠、途中出場の亀井選手との勝負を選択します。
そして亀井選手はキャッチャーフライ。
ランナーを進めることもできず結局この回は無得点に終わります。
続いては3-3同点のまま迎えた10回裏
2アウト3塁で4番マギー選手に打順が回り、ここでもロッテバッテリーは敬遠し亀井選手との勝負を選択。
おそらく次こそは、と意気込んでいたであろう亀井選手でしたが1打サヨナラのこの場面で空振り三振に倒れてしまいます。
ロッテとしては敬遠策が成功した形になります。
そして3-5とロッテリードで迎えた12回裏
坂本勇人選手のタイムリーで1点を返した巨人は、1アウト2塁の場面で4番マギー選手が打席に向かいます。
1点リードしているロッテにとって2塁ランナーは同点のランナー、ホームランが出ればサヨナラという場面。
ロッテバッテリーはここでマギー選手に三度目の敬遠を決断。
サヨナラのランナーを背負ってでも亀井選手との対決を選びました。
ネクストバッターズサークルで待機する亀井選手の顔はこれまでにないほど怒りに満ちた表示でした。
そして亀井選手が打席へ。
この日敬遠のマギー選手の後に打席に入るのは3度目となります。
初球は低めの球に手を出して空振り。
中には不安な気持ちで見守っていた巨人ファンもいたことでしょう。
それもそのはずこの日は既にチャンスで2度凡退しているのですから。
しかし、
その不安は3球目に亀井選手の一振りによって打ち消されることになりました。
ライトスタンドへのな完璧なホームラン。
打った瞬間のガッツポーズとヘルメットの影から覗く、さまざまな気持ちのこもった何かを噛みしめるような表情はとても印象的でした。
ホームに戻ってきた亀井選手は堪えきれず涙を流し高橋由伸監督のもとへ。
この日の試合はもちろん、このシーズン代打で成績を残しながらもスタメンとしてなかなか安定した成績を残せていなかった亀井の様々な思いが溢れ出した瞬間だったのではないでしょうか。
ヒーローインタビューでは
「打てなかったら命取られると思って打席に立った」
と話し笑いを誘っていましたが、
この時の亀井選手は本当にそのぐらいのプレッシャーの元で打席に立っていたのだと思います。
個人的には亀井選手がホームインした後の周りで色々な選手が亀井選手を支えているシーンが好きで、特にマギー選手が労っている様子は色々な感情を見てとれるので注目してみてください。
(1つ目の方の動画1:00頃〜)
亀井 義行 涙の命がけサヨナラ3ラン お立ち台まで 巨人VSロッテ 2017.06.18