全力日記

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論理的に分かりやすく説明する方法。2つの要素を明確に!

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論理的に説明する方法を解説します。

 

 

今回のテーマは「論理的に説明する方法」です。論理的思考力に関するブログは多数あるのですが、「説明する」という点にフォーカスしたものは少ないように感じたので記事にすることにしました。

 

この記事は以下のような方に役立つ内容になっています。

  • 論理的な説明の定義を知りたい人
  • 客観的事実を論理的に説明したい人
  • 自分の考えを論理的に説明したい人
  • 論理的に説明する能力を鍛えたい人

 

当記事の流れ(目次)は以下の通りです。

 

「論理的な説明」が具体的にどんなものなのかと聞かれて、はっきり答えられる人は少ないと思います。私も以前はそうでしたが、自身のコンサルティングファームでの経験や年間100冊近くの読書量をもとに分かりやすく説明していきます。

 

 

論理的な説明とは「意味」と「意義」を伝えるもの

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論理的な説明とは「意味」と「意義」を伝えるもの

 

まず「論理的な説明」の定義について簡単に説明します。
 

そもそも論理的思考(ロジカルシンキング)とは、十分な根拠や裏付けに基づく思考法を指します。
(参考)論理的思考力とは?全てのスキルの基盤になること間違いなし。

 

さらに「説明」という観点を追加して考えると「論理的な説明」というものを定義することができます。

 

結論、論理的な説明とは

  • ①意味の理解
  • ②意義の理解

を促すことができる説明です。

 

①意味の理解

意味の理解:情報を適切に脳内に収納している状態

【意味の理解の例】
「年金とは若いうちからお金を積み立てて、退職後に収入がなくなっても積立金からお金を得られる仕組みのことです。」
⇒ 年金とは何なのかを伝える「意味」の説明

 

②意義の理解

意義の理解:重要性に納得して行動する気が起きる状態

【意義の理解の例】
「老後は病気のリスクや体力、判断力の低下により働けなくなる可能性が高いから今のうちに年金を積み立てておくのです。」
⇒ 年金の重要性を伝える「意義」の説明

 (年金というものの信頼感が薄れている現代では具体例として不適切だったかもしれませんが、ぱっと思いついたのがこの例でした。お許しください。)

 

要するに、論理的な説明ができることで、①相手に考えや事実(=意味)を理解してもらい、②その重要性や必要性(=意義)を感じてもらえるようになるということです。

 

ビジネスの場面での意思決定や、相手の記憶への残りやすさを左右するのが「②意義の理解」だと言えるでしょう。

 

 

 

論理的な説明は「受け手」と「目的」が明確

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ここからは「意味」と「意義」を論理的な説明で示すために定めるべき2つの要素を見ていきます。

 

◇論理的な説明で定めるべき2つの要素◇

  • ①受け手
  • ②目的

この2つの要素をしっかり定めることにより、相手を「なるほど」と唸らせる説明が可能になります。それぞれ以下で説明していきます。

 

定めるべき要素① 受け手

1つ目の要素は「受け手」です。ここでの「受け手」とは、あなたの説明を受ける側の人を指します。先生にとっての受け手は生徒ですし、ビジネスマンにとっては部下や上司、取引先の担当者など、あなたの説明を受け取る人のことです。

 

なぜこの「受け手」を定めることが論理的な説明に必要なのでしょうか?

 

それは受け手の

  • 現時点での理解度
  • 説明に対する期待

の2点を把握してこそ、論理的な説明を組み立てられるからです。

 

「年金」という言葉を聞いたことのない子供に「年金には基礎年金と厚生年金があってね...」なんて説明をしても伝わりません。

「年金の手続きについて知りたい」という期待を持っている人に「年金の歴史は〇〇の頃からで...」という説明もほとんど意味を成しません。

 

意味と意義を論理的に伝えるには「受け手の理解度」と「受け手の期待」を意識して、根拠や言葉を選んだ説明を展開することが重要なのです。

 

定めるべき要素② 目的

2つ目の要素は「目的」です。特に「意義」を伝えるために「目的」を定めることが必須となります。意思決定をしてもらい、説明を相手の行動に繋げるために必要なのが「意義」でした。

 

つまり論理的な説明における「目的」とは、「説明の後に相手に何をしてもらいたいか」を意味します。

 

【定めるべき目的の例】

  • 説明を理解してもらい相手の仕事に役立ててほしい
  • 企画案を理解してもらい次のプロジェクトに採用してほしい

 

なぜ「目的」が大事なのかというと「目的」を定めることで伝えるべき「意味」が明確になり、説明に適切な根拠を配置することができるからです。

 

仮に、目的を「自分の案をプロジェクトに採用してもらうこと」に設定するとした場合は以下のようになります。

目的:プロジェクトに採用してもらうこと

  ⇓

伝えるべき意味(根拠)

  • 自分の案が会社にもたらすメリット
  • 予想されるデメリットの対処法
  • 案の採用後に必要なプロセス

 

このように具体的な目的を定めることで、説明の厚みが増します。相手に伝えるべき根拠が明確になり、説得力のある説明を可能にしてくれるのです。

 

これは論理思考の基本とされる「横の論理」の充実を意味します。

(参考)論理的思考力とは?全てのスキルの基盤になること間違いなし。

 

 

ここまでを一旦まとめると以下の通りです。

  1. 論理的な説明で「意味」と「意義」を伝えることができる
  2. 論理的な説明の前提は「受け手」と「目的」を明確にすること

 

それでは最後に「1人でもできる論理的な説明の練習法」について書いていきます。

 

 

 

論理的説明力を鍛える3ステップ

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論理的な説明力を鍛える方法

では最後に「論理的説明力」を鍛えるための3ステップを書いていきます。これは実際に私の勤めるコンサル会社でも実行、推奨されている方法なのでぜひ参考にして頂きたいです。

 

①論理的思考について学習する

「論理的思考力」は今では多くの企業の新人研修でも導入されているスキルのひとつです。論理的思考、ロジカルシンキングとも呼びますが、この思考法の基本を学ぶだけでもコミュニケーションの質が大幅に改善するはずです。

 

意識するべきは「縦と横の論理構造展開」です。詳しくは以下の記事で紹介しています。

(参考)論理的思考力とは?全てのスキルの基盤になること間違いなし。

 

「論理的思考法」については書籍も多く出版されていますし、このブログでも記事を書いていく予定なのでぜひ学習してみてください。

 

②1人で声に出して説明する

論理的思考を簡単に学習したら、次にやることはアウトプットの練習です。もちろん誰かに聞いてもらうのがベストですが、1人で声に出して説明してみるのも効果的です。意外にも、1人で練習していても声を出すことで論理のズレや漏れに気づくことができます。

 

【論理の違和感に気づく具体例】
プレゼンでの説明に向けた練習中に
「その根拠は〇〇と△△にあります。」
と言ったとします。

この時に「でも〇〇と△△って似たような意味だよな?2つ並列する根拠としては弱いんじゃ...」といったような違和感を持った場合、自身の組み立てた論理に抜けや漏れ、重複があることに気づくことが出来ます。

 

 「納豆を食べるべき理由が2つあります。『健康的』なことと『血液サラサラ』効果があることです。」と言われても、論理の重複があり説得力に欠けますよね?

 

上記のような細かいズレが、説明全体への不信感を招きます。まずは自分で声に出すことで、論理のズレを見極めていきましょう。

 

③誰かに説明してみる

最後のステップは「誰かに説明してみる」ということです。一番効果的な方法ではありますが、なかなか相手を見つけるのは難しいかもしれません。

 

そんな方にはSNSを活用することをお勧めします。

 

個人的には、Twitterがお勧めです。「1つのツイートにつき140字まで」という制限のもと練習ができるからです。匿名のアカウントを作成し、自分の専門分野について説明する練習をしてみましょう。フォロワーの数や反応は関係ありません。

 

三者にとって読みやすい、論理的な説明を工夫して考える練習が大事なのです。140字で何かを論理的に説明するのは意外にも難しく、論理的に説明するための良い練習になるでしょう。

 

記事のまとめ

以上、ここまで「論理的に説明する」というテーマで記事を書きました。簡単に要約すると以下の通りです。

 

  1. 論理的な説明では「意味」と「意義」の2つを伝えることができる。
  2. 論理的に説明する上は「受け手」と「目的」を定めることが大切。これを定めずに説明をしても、漠然とした、相手に刺さらない説明となってしまう。
  3. 論理的な説明を練習するには3つのステップを踏むと良い。
  • ステップ1:論理的思考力を身に着ける
  • ステップ2:声に出して練習する
  • ステップ3:SNS等で誰かに説明してみる

 

論理的な説明をすることは最初は難しいですが、段々とできるようになっていくはずです。

 

特に基本となる論理的思考力は、身に着けておくとインプットとアウトプットの両面で成果が上がりやすくなります。

こちらに解説記事のリンクを再度添付しておくので、参照してください。

(参考)論理的思考力とは?全てのスキルの基盤になること間違いなし。


最後に、この記事を書く上で参考にした書籍のリンクを添付しておきます。さらに詳しく学びたいと思った方は読んでみてください。

 

◇参考文献◇ 

 
ちなみに社会人ブロガーとしてTwitterもやっています。私自身の社会人としての読書や勉強の記録を、ブログとツイートの両方で発信しています。有益なことも発信するので、成長を見届けつつフォローしておいて頂けると嬉しいです。